スーパーカップは体に悪い?ラクトアイスの油を研究で確認

スーパーカップは体に悪い?添加物は2つだけ、本題は1個の量(アイキャッチ) 食事

明治のスーパーカップの添加物は、香料と着色料の2つだけです。

「ラクトアイスだから体に悪い」と思われがちですが、実は中身に「悪い」と言い切れる材料はありません。本題は、1個200ml・374kcalという量です。

この記事では、体に悪いと言われる理由3つを公式の数字で確かめ、「植物油脂は乳脂肪より悪いのか」「毎日食べると太るのか」を研究で見て、量との付き合い方をまとめます。

ちなみに我が家では、以前は妻がスーパーカップをよく食べていました。(後半で)

体に悪いと言われる理由 3つ

調べてみると、「体に悪い」と言われる理由は、だいたい次の3つに分かれます。

  • ラクトアイスだから: 乳脂肪のかわりに植物油脂が使われている区分です。「植物油脂=トランス脂肪酸」「プラスチックを食べているようなもの」という話がここから出ています
  • 添加物が入っているから: 「アイスは添加物だらけ」というイメージです
  • 1個が大きくてカロリーが高いから: 200mlで374kcal。お菓子1日分の目安を1個で超えます

まず、公式の数字で中身を確かめます。

  • 種類別: ラクトアイス(無脂乳固形分8.5%・植物性脂肪分13.0%・卵黄脂肪分0.5%)
  • 原材料名: 乳製品、植物油脂、砂糖、水あめ、卵黄、食塩/香料、アナトー色素
  • 1個(200ml): 374kcal・たんぱく質5.6g・脂質23.4g・炭水化物35.3g・食塩相当量0.22g

出典:明治「明治 エッセル スーパーカップ 超バニラ 200ml」商品情報 https://www.meiji.co.jp/products/icecream/4902705125308.html

2つ目の添加物について。原材料名の「/」より後ろは、香料とアナトー色素(ベニノキの種からとる着色料)の2つだけです。

柱記事「アイスは体に悪い?」で取り上げた乳化剤や安定剤(増粘多糖類)は、スーパーカップには入っていません。添加物の数で見れば、チョコモナカジャンボ(6種類)より少ないアイスです。

添加物を気にしている人にとっては、安心して選べる中身ですね。

残るのは、1つ目の植物油脂と、3つ目の量です。 ここからは、この2つに絞って見ていきます。

植物油脂は乳脂肪より悪い? 研究で見ると差はほとんどない

ヤシ油・バター・オリーブオイルを4週間とった研究の図解。悪玉コレステロールはバターがヤシ油より0.42mmol/L高く、ヤシ油とオリーブオイルは差なし
「植物油脂だから悪い」のイメージを、人で比べた研究で確かめました

ラクトアイスは、乳固形分が3.0%以上あれば名乗れる区分です。スーパーカップの無脂乳固形分は8.5%で、基準の2倍以上入っています。

乳脂肪のかわりに使われる植物油脂は、日本アイスクリーム協会によると、主にヤシ油・パーム油・なたね油です。

出典:日本アイスクリーム協会「アイスクリームの原料は何?」 https://www.icecream.or.jp/iceworld/qa/01.html

ヤシ油やパーム油は、常温で固まる油です。だから、トランス脂肪酸のもとになる「水素添加」という工程がいりません。「植物油脂=トランス脂肪酸」「プラスチック」という話は、マーガリンが問題になった時代のイメージが、そのまま残っているものです。

出典:農林水産省「すぐにわかるトランス脂肪酸」 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/

では、ヤシ油やパーム油は、乳脂肪より悪いのか。ここに人で比べた研究があります。

イギリスの50〜75歳の健康な男女94人が、4週間、毎日50gのヤシ油・バター・オリーブオイルのどれかをとりました。

悪玉コレステロール(LDL)は、バターをとった人がヤシ油をとった人より0.42mmol/L高くなりました。ヤシ油とオリーブオイルの間には、差がありませんでした。ヤシ油は善玉コレステロール(HDL)を上げる方向にも働いたと報告されています。

出典:Khaw KT, et al. (2018) “Randomised trial of coconut oil, olive oil or butter on blood lipids and other cardiovascular risk factors in healthy men and women.” BMJ Open 8(3):e020167. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5855206/

興味深いのは、乳脂肪(バター)のほうが数字が悪かったことです。

結論としては、「植物油脂だから乳脂肪より体に悪い」という根拠は、少なくともこの研究にはありません。

補足:今のパッケージには「植物油脂」としか書かれていません。以前の原材料表示では「植物性脂肪(パーム油、ヤシ油)」でした。パーム油については、大豆油などの油と比べて悪玉コレステロール(LDL)を0.24mmol/L上げるという試験のまとめがあります。ヤシ油もパーム油も乳脂肪も、「飽和脂肪酸が多い油」として同じ目線で見るのが正確です。

出典:食物アレルギー情報サイト「くみたす」明治エッセルスーパーカップ超バニラ 200ml(旧表示の登録内容) https://kumitasu.com/products/detail/15984/

出典:Sun Y, et al. (2015) “Palm Oil Consumption Increases LDL Cholesterol Compared with Vegetable Oils Low in Saturated Fat in a Meta-Analysis of Clinical Trials.” J Nutr 145(7):1549-1558. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25995283/

ルナ
ルナ

ラクトアイスって、乳脂肪の代わりに油が入っているんだね。

サカ
サカ

はい。乳脂肪もヤシ油もパーム油も、飽和脂肪酸が多い油という点では同じ仲間です。健康を気にするなら、油の種類より1個の量ですよ。

毎日食べると太る? 研究が示すのは「量と回数」

スーパーカップが体に悪いと言われる理由3つ(ラクトアイスの植物油脂・添加物・1個の量)を公式の数字で確認した早見カード。心配いらないのが2つで、残るのは1個の量
3つの理由への答えを1枚にまとめました

3つ目の量の話です。

スーパーカップ1個は374kcal。農林水産省の「食事バランスガイド」が目安にする「お菓子・嗜好飲料は1日200kcal程度」を、1個で大きく超えます。半分にすると187kcalで、目安の中に収まります。

出典:農林水産省「食事バランスガイド」 https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/

ただし、10mlあたりで比べると、スーパーカップ約19kcal、ハーゲンダッツ(バニラ・110ml・244kcal)約22kcalで、濃さはハーゲンダッツのほうが上です。

出典:ハーゲンダッツ ジャパン「バニラ」成分情報 https://www.haagen-dazs.co.jp/products/mini-cup/vanilla.html

つまり、スーパーカップが特別に濃いのではありません。200mlという量が、そのまま374kcalになっています。

毎日食べるとどうなるかは、アメリカの長期研究が手がかりになります。

慢性の病気がなく肥満でもないアメリカの男女120,877人を、最長20年追跡した研究です。4年ごとの体重変化と、食べるものの変化との関係を調べました。

参加者は平均で4年ごとに約1.5kg増えていました。
「甘いもの・デザート」を1日1回分増やした人は、4年で約0.19kg多く増えていたと報告されています。
ポテトチップス(約0.77kg)や甘い飲み物(約0.45kg)より小さい数字ですが、増える傾向でした。
逆に、ヨーグルト(約0.37kg減)・ナッツ・果物・野菜を増やした人は、体重が増えにくい傾向でした。

出典:Mozaffarian D, et al. (2011) “Changes in Diet and Lifestyle and Long-Term Weight Gain in Women and Men.” N Engl J Med 364(25):2392-2404. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3151731/

体重を決めるのはアイスの中身より、毎日の回数と1個あたりの量。研究が示しているのは、この当たり前の事実です。

補足:この研究の「デザート1回分」は、アイスなら約120ml(カップ半分)です。スーパーカップ1個はその1.7倍にあたります。「毎日1個」は、研究で数えた回数より多めに食べている計算です。

ルナ
ルナ

じゃあ毎日スーパーカップを食べたいなら、どうすればいいの?

サカ
サカ

どうしても毎日食べたい人は、量を半分にしましょう。フタが付いているので、半分残すのが簡単なアイスなんです。
ただ個人的には、毎日アイスを食べると感動が薄れてしまうので、たまに食べるのがおすすめです。

スーパーカップ1個374kcalと半分187kcal、ハーゲンダッツ244kcalを比べた棒グラフ。半分ならお菓子1日分の目安200kcalに収まる
半分にすると、お菓子の目安の中に収まります

我が家の場合

以前は、妻がスーパーカップをよく食べていました。今は、たまにハーゲンダッツを食べるようになりました。

数字で見ると、1回の量は200mlから110mlへ、374kcalから244kcalへ。回数も「よく」から「たまに」に変わっています。

これを踏まえた私の意見

個人的な意見としては、頻度を減らしてその分満足度の高いアイスを食べるというのが、健康的にも満足度的にも良いと思っています。
どのアイスに満足するかというのは、人それぞれだと思います。原材料表示がなるべく短い、かつ自分の満足度の高いアイスを楽しめれば良いと思います。

今日からできること 3つ

以前の記事では「よく食べるものは、原材料表示が短いほうを選ぶ」と書きました。
添加物が2つのスーパーカップは、半分にすればふだんの枠に入れやすいアイスです。
添加物6種類のチョコモナカジャンボをご褒美枠にしたのと、線引きは同じです。

  1. 毎日食べる人は、半分残してフタをする: 半分で187kcal・脂質11.7g。お菓子1日分の目安(200kcal)に収まります。フタを閉めて冷凍庫に戻し、翌日に食べます。溶けかけた後の再冷凍については溶けたアイスの記事にまとめています
  2. 空腹時ではなく、食後のデザートにする: 夜遅くに食べるときの話は夜のアイスの記事にまとめています
  3. 少量で満足したい日は、小さいカップを選ぶ: 110mlのハーゲンダッツや柱記事で紹介した小さめのアイスなら、1個で目安の中に収まります。量を楽しみたい日はスーパーカップ、と使い分けます

まとめ

  • 中身:添加物は香料と着色料の2つだけ。植物油脂が乳脂肪より悪いという根拠は研究にはない
  • 本題:1個200ml・374kcalという量。お菓子1日分の目安を1個で超える
  • 付き合い方:毎日なら半分(187kcal)、たまになら1個。食後のデザートに

ラクトアイスだからと言って、全てを避ける必要はないと思います。
1個あたりの量と原材料に気をつけながら、健康的にアイスを楽しみましょう!

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の効果を保証するものではありません。持病のある方や通院中の方は、かかりつけ医にご相談ください。

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