前回の記事では、ソイプロテインとホエイプロテインを、健康目的の視点で解説しました。

今回は、美容と健康を目的としたソイプロテイン2選の解説と、飲み比べたレビューを行います。

最近は、数多くのソイプロテインがあるからね。
自分の目的に合ったプロテインを選択することが大事だよ

目的に合ったって、どういうこと? プロテインはどれもタンパク質でしょ?
「プロテイン=タンパク質を摂るもの」とは限らない
じつは、ここに大きな落とし穴があります。「プロテイン」という名前でも、商品によって“主役”がまるで違うのです。
タンパク質をしっかり届けることを主役にした商品もあれば、タンパク質は控えめで、代わりに野菜や発酵素材など「まるごとの栄養」を主役にした商品もあります。
どちらも間違いではありません。ただ、あなたが求めているものと商品の“主役”がズレていると、飲んでも満足感が得られないのです。
美容や健康の面から見ても、この違いは効いてきます。たとえば肌のハリのもとになるコラーゲンは、材料であるタンパク質(アミノ酸)が足りないと作れません。
閉経後の女性を対象にした研究では、大豆タンパクとイソフラボンを6か月摂ったグループで、肌のシワの深さやうるおいの改善が報告されています。
出典:Rizzo G, et al. “Soy Protein Containing Isoflavones Improves Facial Signs of Photoaging and Skin Hydration in Postmenopausal Women”, Nutrients, 2023. https://doi.org/10.3390/nu15194113
健康面でも同様です。
約2,600人分のデータを統合したメタ分析では、1日およそ25gの大豆タンパクを摂ることで、LDL(いわゆる悪玉)コレステロールや総コレステロールがわずかに下がったと報告されています。
効果は穏やかですが、一貫していました。
出典:Blanco Mejia S, et al. “A Meta-Analysis of 46 Studies Identified by the FDA Demonstrates that Soy Protein Decreases Circulating LDL and Total Cholesterol Concentrations in Adults”, The Journal of Nutrition, 2019. https://doi.org/10.1093/jn/nxz020
大切なのは「どの研究も、ある程度の“量”のタンパク質を前提にしている」という点です。
プロテイン選びでつまずく、3つの原因
プロテインについては、長年いろいろ試してきて、そして元医療従事者として栄養の相談を受けてきた経験から、つまずくポイントは大きく3つに整理できました。
原因1:「プロテイン」という名前を信じすぎている
名前が同じ“プロテイン”でも、1食あたりのタンパク質量は商品によって3倍以上違うことがあります。
その他の成分も商品によって結構変わるので、確認することが大切です。
原因2:味と続けやすさを軽く見ている
どんなに成分が良くても、ある程度美味しくなければ続きません。
そして続かなければ、研究で言われるような変化が起きる“量”にも“期間”にも届きません。
味は「おまけ」ではなく、効果を得るうえで重要です。
原因3:そもそも「目的」が決まっていない
「美容のため」「手軽にタンパク質を補うため」「無添加で安心したいため」——求めるものは人によって違います。
ところが目的があいまいなまま“なんとなく”選ぶと、商品の“主役”と自分の狙いがズレてしまう。
素材の幅が広いことと、タンパク質がしっかり摂れることは別物で、どちらが正解かは「あなたの目的」次第なのです。

耳が痛いなぁ。わたし、なんとなく選んでたかも。

昔は私もそうだったよ。
最近はタンパク質の量やその他の成分をしっかり見て、目的に合った商品を選ぶようにしているよ。

実際に2つのソイプロテインを飲み比べてみた
ここからが本題です。わたしが実際に飲み比べた2本を、成分表の数字まで確認して比較しました。
結論を先に言うと、この2本は「どちらが上」ではなく「目的が違う」のです。
比較したのは次の2本です。
①ドクターズ ナチュラル レシピ 美容プロテイン(きなこ味)


①は「タンパク質をしっかり届ける」ことに軸を置いたソイプロテインです。
1食で約11.9gと、この手の美容系ソイプロテインの中ではタンパク質がしっかり摂れます。
前述の研究で変化が報告された“量”にも近づけやすい。加えてエラスチンやセラミド、ビタミン類など美容をねらった成分も配合されています。
私はこのソイプロテインを2年近く飲んでいますが、①を選んだ理由は、大きく2つあります。
ひとつは、忙しい朝でもサッと1杯でタンパク質を補えること。
時間のない出勤前でも、混ぜて飲むだけなので手間がありません。
もうひとつは、毎日口にするものだからこそ、成分に安心できるものを選びたかったこと。
①は大豆たんぱくを軸に、素材や配合成分にこだわって作られているので、「これなら毎日続けても安心」と思えたのが決め手でした。
その他にも
- 味は適度な甘みがあり、美味しく飲めること
- 良い成分を使っている割にコスパが良いこと
これらもこのプロテインを選んだ理由です。
②大地のめぐみ 素美人(まるごといちご味)


②は「素材のまるごと感と、引き算の安心」に軸を置いたソイプロテインです。
最大の特徴は、91種すべてが国産原料で、着色料・香料・砂糖・人工甘味料などを使わない徹底した無添加設計であること。
「余計なものはできるだけ入れたくない」「産地の見えるものを選びたい」という方には、これ以上ないほど寄り添ってくれます。
丸ごと大豆やおから由来の食物繊維など、タンパク質“以外”の栄養もいっしょに摂れるのが魅力です。
今回あらためてまるごといちご味を飲んでみましたが、①ほどではないものの毎日続けるのにまったく問題のない飲みやすさでした。
ただ、①より若干溶けづらいため、しっかり混ぜる必要があります。
ひとつだけ正直にお伝えすると、②は「完全食」とうたわれていますが、これはメーカーさんの表現です。
タンパク質量そのものは控えめ(1食あたり3.2g)なので、「プロテインでしっかりタンパク質を補う」目的だと少し物足りないかもしれません。逆に「栄養バランスのとれた置き換えの一杯」として見ると、とても優秀です。
2つを様々な角度で見比べますと、こうなりました。
| 見る角度 | どちらが優勢か |
|---|---|
| タンパク質の量(1食あたり) | ①(11.9g|②は3.2g) |
| 研究で効果が確認された「量」への近さ | ① |
| 美容成分の直接配合(エラスチン・セラミド・ビタミン等) | ① |
| 味・飲みやすさ | ①(②も美味しいです) |
| コスパ(タンパク質1gあたり) | ①(約23円|②は約65円) |
| 素材の多様性・幅 | ②(91種の原料) |
| 無添加のこだわり | ②(着色料、グルテン、増粘剤、香料、砂糖、酸化防止剤不使用)①も甘味料、着色料、香料、増粘剤、酸化防止剤不使用 |
| 国産原料 | ②(純国産) |
| 「まるごと大豆」由来の食物繊維など | ② |
なお「大豆は動物性より劣るのでは?」と心配な方もいるかもしれませんが、高齢者を対象にした研究では、大豆タンパクを1日30g摂ったグループでふくらはぎの太さが保たれ、炎症の指標が下がったと報告されています。植物性でも、量をきちんと摂れば体づくりにしっかり役立つと考えられています。
出典:Wu X, et al. “The Effects of Soy Protein–Rich Meals on Muscle Health of Older Adults Are Linked to Gut Microbiome Modifications”, Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle, 2026. https://doi.org/10.1002/jcsm.70212
出典:“Protein Source and Muscle Health in Older Adults: A Literature Review”, Nutrients, 2021. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7996767/
「良いプロテイン」とは、「あなたの目的に合ったプロテイン」のことです。
今日からできる、具体的な選び方アクション
むずかしく考える必要はありません。次の3ステップで、自分に合う一本が見えてきます。

ステップ1:まず「目的」を1つだけ決める
「タンパク質を補いたい」、「健康効果を期待したい」、「肌や見た目にこだわりたい」のか。自分が“いちばん譲れないもの”を1つ選びます。
ステップ2:1食あたりのタンパク質量を必ず見る
パッケージ裏の栄養成分表示で、「1食(○g)あたり タンパク質△g」を確認しましょう。美容や健康での変化を期待するなら、1食で10g前後は一つの目安になります。ここを見るだけで、選び方の精度がぐっと上がります。
ステップ3:最初は小さいサイズか単品で試す
どんなに評判が良くても、自分の舌に合うかは飲んでみないと分かりません。いきなり大袋ではなく、まずは1袋。続けられそうだと確認できてから、まとめ買いに切り替えるのが失敗しないコツです。

目的を1つに絞る、かぁ。わたしはすべて国産なのが魅力的だから②から試してみようかな。

それでいいと思うよ。合わなかったらもう片方を試せばいいだけだからね。
まとめ:数字と目的で選べば、プロテインはもう迷わない
ソイプロテインは、「プロテイン」という同じ名前でも、中身の主役がまるで違います。今回の2本で言えば——
- タンパク質をしっかり補いたいなら①(1食11.9g・味とコスパも◎)
- 無添加・純国産・素材の幅を大事にするなら②(91種の国産原料・徹底した無添加)
どちらが優れているという話ではなく、あなたの「いちばん譲れないもの」がどちらにあるか、それだけです。
ラベルの言葉に流されず、成分表の数字と自分の目的を照らし合わせれば、もう棚の前で迷うことはありません。
健康も美容も、続けてこそ。まずは自分に合う一本を、今日ここから見つけてみませんか。
※本記事で紹介した研究は「大豆タンパク」という成分に関するものであり、特定商品の効果を保証するものではありません。体調に不安のある方や治療中の方は、医師・薬剤師にご相談ください。
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