私は乱視があるので、メガネをかけて生活しています。
また、パソコン作業やゲームで画面を見る時間が長いため、以前からずっとブルーライトカットのレンズのメガネを使用しています。
夜にスマホ等を見るときも「メガネが睡眠への影響を減らしてくれている」つもりでいました。
しかし、睡眠とスマホの研究を調べていて、意外な事実に行き当たりました。
結論から言うと、ブルーライトカットメガネが睡眠を良くするという効果は、確認されていません。
この記事では、その研究の中身と、「それなら夜のスマホとどう付き合えばいいのか」までを紹介します。
睡眠への効果は「おそらく差がない」

2023年、コクランという国際組織が、ブルーライトカットレンズのランダム化比較試験17件をまとめて検証しました。
コクランは、世界中の治療や健康法に「本当に効くのか」の判定を下す独立組織です。医療の世界では、もっとも信頼されるまとめ役のひとつです。
結果は次のとおりでした。
- 睡眠の質:普通のレンズと比べて「おそらく差がない」
- パソコン作業による目の疲れ:「おそらく差がない」
- 網膜の保護:効果を裏付ける証拠なし
「効かない」と断定したわけではなく、「効果があるという証拠が見つからない」という結論です。しかし、17件の試験を集めてこの結果というのは、重い事実だと思います。
出典: Singh S, et al. Blue-light filtering spectacle lenses for visual performance, macular health and sleep quality. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2023.
https://doi.org/10.1002/14651858.CD013244.pub2
振り返ると、私自身も「効いている」と感じて使っていたわけではありませんでした。もともと長時間画面を見ても目が疲れにくく、体感の変化はゼロ。「なんとなくいいかな」で選び続けていました。

えっ、うちはスマホの保護フィルムもブルーライトカットだよ…。損しちゃったのかな。

損したと思わなくて大丈夫ですよ。かけていて害があるわけではないんです。ただ、眠りのための対策は、レンズではなく夜の過ごし方でやるほうが確実です。そこはこの後説明しますね。
画面のブルーライトは、曇り空の光より弱い
日本眼科学会など、日本の眼科系の6つの団体は、共同声明で次のように報告しています。
パソコンやスマホの画面から出るブルーライトは、曇り空や窓越しの自然光よりも弱く、網膜にダメージを与えるレベルではない——という内容です。
つまり、昼間に外を少し歩くだけで、画面よりずっと多くのブルーライトを浴びています。
画面の光は「メガネで防がないと危険」というほど強いものではなかった、ということです。
出典: 日本眼科学会・日本眼科医会ほか「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」2021年
https://www.gankaikai.or.jp/info/20210414_bluelight.pdf
「夜の光が眠りに影響する」こと自体は本当
一方で、夜に強い光を浴びると眠りに影響すること自体は、多くの研究で確認されています。
夜の光は、眠りを促すホルモン(メラトニン)の分泌を抑えることが実験で示されています。夜の光対策そのものは、根拠のある話なんです。
問題は、その対策として「レンズでブルーライトの一部をカットする」方法では、睡眠が良くなる証拠が出ていないこと。
効き目を左右していたのは、レンズではなく「いつ・どこで画面を見るか」のほうでした。
眠りのためなら「寝床にスマホを持ち込まない」

ノルウェーの大学生45,202人を対象にした2025年の調査では、ベッドに入ってからの画面時間が1時間長い人は、不眠症状のリスクが59%高く、睡眠時間は24分短いという関連が報告されています。
おもしろいのは、SNSでも動画でも電子書籍でも、「何を見ているか」による差はほとんどなかったこと。一時点のアンケート調査なので「画面のせいで眠れない」とまでは言い切れませんが、寝床での画面時間そのものが睡眠と強く関連することを示す大規模なデータです。
出典: Hjetland GJ, et al. How and when screens are used: comparing different screen activities and sleep in Norwegian university students. Frontiers in Psychiatry. 2025.
https://doi.org/10.3389/fpsyt.2025.1548273
これを踏まえて、今夜からできることを2つにまとめました。
今夜からできること 2つ
1. メガネに睡眠対策を期待しない
ブルーライトカットのレンズを選ぶこと自体は自由です。しかし「かけているから夜スマホも安心」という期待は手放すのがおすすめです。私もこの「つもり」を今回手放しました。
2. 夜のスマホは寝床に持ち込まず、ベッドの外で済ませる
見る内容を我慢する必要はありません。ソファや机で見終えてから布団に入る、というように場所で区切る方法です。
このブログでは「ゼロを目指さない」やり方をよくおすすめしていますが、ここは例外です。睡眠との関連がはっきり出ているのは、ベッドに入ってからの画面時間だからです。充電器をベッドから手が届かない場所に置くと、無理なく「持ち込まない」を続けられます。

寝る前って、ついベッドでスマホ見ちゃうんだよね。

スマホを完全にやめる必要はないんです。見る場所をベッドの外に変えて、短時間で終わらせるだけですよ。寝る前の過ごし方は、ナイトルーティンの記事でも詳しく紹介しています。
まとめ
- ブルーライトカットメガネの睡眠・目の疲れへの効果は、17件の試験のまとめで「おそらく差がない」と報告されている
- 画面のブルーライトは、曇り空の自然光より弱い
- 眠りのためにやるなら、寝床にスマホを持ち込まないのが近道
メガネのブルーライトカットは過信せず、寝床にスマホを持ち込まないことを意識しましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的な診断・治療に代わるものではありません。体調に不安がある場合は医療機関にご相談ください。
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